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忘備録 思考録 未来日記

指定管理者制度導入に関する父母会での議論に関して(2009.12.14 石戸学童父母会)

 石戸学童保育室父母会では、1212日の定例父母会において、指定管理者制度導入に関する話しあいを行いました。

 その結果、指定管理者制度については、指定変更に伴う運営主体・指導員の変更による子どもの混乱やサービスの質の低下、指定変更時には連協という親の団体が職員の解雇などを行わなくてはならないという不条理さ、などの理由によって、私たちは「反対」の意志表示をしたいと思います。

 しかし、この間の市担当者の言動の様子からは、市側は同制度の導入に対して強い意向があることも感じられます。同制度の拙速な導入そのものについては、私たちは反対ではありますが、もし導入が決まってしまったのならば、少なくとも下記の意見を参考にしたうえで、子どもも豊かな放課後の生活を過ごすことができ、また親も安心して仕事を続けられるような学童保育事業の継続を強く希望します。

 なお、連協を通じての意見表明だけではなく、石戸学童保育の「父母会」として、あるいは他の学童保育室の「父母会」と協働して、指定管理者制度導入に対する意見を市当局に提出することについても議論がありましたので、1月以降に実施したいと考えております。

 下記は、父母会にて出された意見をできるだけ忠実に書き写し、発言の内容ごとに分類・整理したものです。

 

【市側に対する不信感】

l  市役所は信用ならないと感じました。指定管理者の話に関しては、当初は財政状況の問題から導入について話があったのに、「現在の状況は法律違反である」というような違った理由に転化しており、騙されているのではないかとさえ思います。

l  指定管理者制度を導入するのか、導入に反対して大規模分割をあきらめるのか、というような、問いかけをされても、そもそも議論のしようがないと思います。

l  市側は、これまでの対市交渉などでの交渉内容についてはほとんど聞きいれてもらえなかったと思います。しかし今回は、「これがきまりです」ということを一方的に伝えてくることは、本当に納得がいかない思いです。

 

【継続的な運営に関する不安や方策】

l  ここで導入が決定されてしまい、あとになって後悔することになるのではないかととても不安です。

l  今後は、指定管理者制度導入後に、連協が引き続き継続して運得できるように、確約などがとれるのかどうかがカギなのではないかと思います。

l  指定管理者の審査や評価のプロセスを、連協とは別に、親の組織をしっかりと作って、監視していく必要があると思います。行政、連協、親が三権分立のような形で、相互に監視しあうようにしていく必要があると思います。

l  指定管理者導入後、評価のプロセスにしっかりと親がかかわっていけるようにすることが大事だと思います。

l  仮に数年連協に随意指定されたとしても、その後は安い所に流れると思われます。民間企業であれば、途中で投げ出されることもあり得るので、不安であるし、そうならないようにしていくことが必要だと思います。

l  指定管理者制度には今までも反対でいましたが、市の姿勢をみると、仕方がないのかな、という感じがします。指定を受ける条件を高いものにしてもらい、指定管理者制度は学童保育には向かないということをしっかりと訴えていきたいと思います。

l  運営について、利用者がしっかりとかかわっていけるのか、共有されていけるのかについても、審査や評価の基準にしていく必要があると思います。

l  これまでも市と話し合いを行ってきたので、そのつながりを生かし、またスタートの数年で次の指定が受けられるように関係を作っていくことが必要ではないでしょうか。父母の声もあげていくことが必要だと思います。

l  市の方に一方的に決めさせるのではなく、条件をしっかり出していく必要があると思います。

l  指定のサイクルを、少なくとも3年など短いものではなく、できるだけ長くしてもらえるように条件を設定すべきだと思います。

l  指定を連協が受けられなかったとしたら、私たちは学童をやめて、新しく学童を作る、というぐらいのことを、市側に伝えていくことも大事ではないでしょうか。しかしそのような覚悟が、連協や父母会にはあるのかどうか、そこも今後議論していく必要があります。

 

NPO法人格の取得について】

l  NPO法人をとることなどについては、組織の体力をつけて、市役所と交渉していくという点で、OKである。

l  連協の運営について、親自身もなかなかわかりにくくなっていることがあります。一方で、NPOなどの法人をとって運営していくことが、はたして親にできるのかどうかも不安であることも事実です。

l  NPO法人などを運営できるマンパワーが、親の団体にあるのかは不安でもあります。

l  市と連協、そして第3者の組織を作ってもらい、要望しないとダメなのではないかと思います。

 

【保育の質の低下に対する懸念について】

l  預ける立場としては、指導員の先生がころころと変わってしまうのは不安です。

l  連協の仕組みがよくわかっていないので、なかなか意見が言えません。しかし先生がころころと変更するのは不安です。

l  行事などが多い現在の状況は、働く親にとっては大変なところもあります。しかし、モノを預けるのではなくて、人間を預け、心を預けているのです。長年の人間関係によって成り立っているので、今まで通りの先生方に見てもらいたいと思います。

l  先生たちとの人間関係がとてもいい。今後心のケアについて、手薄になってしまっては困ります。現在の状態は子どもにとって一番いい環境であると思います。

l  保育料うんぬんよりも、はやり保育の内容、質にこだわりたいと思います。

l  経営者が変更しても、指導員は変わらないようにしてもらうなどの対応が必要だと思います。

l  子どもと先生の現在の関係はとてもいい状態であり、指定管理者制度によってそのような関係性が壊されるのであれば、反対です。

 

【指導員の身分保障や雇用に関する不安】

l  指導員のこれまでの実績について、市はどのように評価しているのか、あるいは評価するのか、そこをしっかり考えてほしいと思います。

l  指定管理者制度となって、仕事をとれないかもしれないのに、NPO法人を作って雇用の責任を親の団体に託すことについては疑問があります。指定されなかったときの職員の身分保障の問題を、市にはしっかりと考えてもらいたい。

l  職員の解雇を親がしなくてはならなくなる、ということはどう考えてもおかしく、そんなことがあってよいのかと、憤りも感じます。